東京農業大学 岡田教授にインタビュー

植物性乳酸菌研究の第一人者で、長年にわたってコモのパネトーネ種について研究を
行って頂いている岡田早苗教授に、パネトーネ種の乳酸菌についてお話を伺ってきました。

東京農業大学 応用生物科学部 岡田早苗教授
 農学博士
 [主な研究テーマ]
植物性乳酸菌とヒトの健康の関わり
 [主な業績]
乳酸菌実験マニュアル(朝倉書店)
植物性乳酸菌世界とその秘める可能性
              (日本乳酸菌学会誌)
乳酸菌のはなし(TELLUS−ゆとりある大地−)
パン生地発酵と乳酸菌(日本乳酸菌学会)
−先生とパネトーネ種の出会いは?

【岡田】以前より、日本やアジア地域で昔から作られている発酵食品の微生物について研究を行っていまし

た。イタリアからパネトーネ種を輸入して伝統的なパン作りを行うので、どのような微生物が関わっているのか
調査して欲しいと、創業当時のコモ社より依頼を受けました。それ以来、20年以上にわたってパネトーネ種に
生息している酵母と乳酸菌の分類や、性質の調査、パン生地発酵への関わりなどをコモ社研究員と共同で
研究しています。
−今話題の植物性乳酸菌って何ですか?

【岡田】乳酸菌は糖を発酵して主に乳酸を50%以上生成する菌を指し、ヨーグルトやチーズなどを作るのに

使われる菌として大変に有名です。しかし我が国で昔から食べられている味噌やキムチ、醤油、漬物などにも
乳酸菌は入っています。そこで両者の生育環境の違いから、乳酸菌にとって栄養バランスが良く環境に恵ま
れた「動物由来のミルク」に主に生息する乳酸菌を「発酵乳乳酸菌」、乳酸菌にとって栄養バランスが悪く、
タンニン酸などの強い刺激物を含む植物などに主に生息する乳酸菌を「植物性乳酸菌」と提唱しています。
パネトーネ種乳酸菌も植物に由来する小麦粉生地中で生息していますので、「植物性乳酸菌」といえます。
−パネトーネ種乳酸菌はどんな菌ですか?

【岡田】パネトーネ種はイタリア北部で伝統的に100年以上も植え継がれている、パン作りの基となる生地種

です。パネトーネ種には独自の酵母のほかに生地1gあたり1億個以上の乳酸菌が生息しています。
このパネトーネ種乳酸菌は生地からしか見つかっていない大変珍しい乳酸菌です。この乳酸菌は小麦粉に
含まれる麦芽糖を食べて繁殖し、パネトーネ種の酵母と上手に共生しています。
−店で売っているコモパンの乳酸菌は生きているのですか?

【岡田】パンはオーブンで焼き上げるため、酵母や乳酸菌といったパン作りに関わった微生物は死滅してしま

います。ただしコモパンは約10時間という長時間にわたる発酵の中でこれら微生物がたっぷりと働いています
ので、パンの香りや味を良くする物質がたくさん蓄積しています。
−パネトーネ種乳酸菌は健康にいいのですか?

【岡田】乳酸菌が健康に及ぼす効果については整腸作用、免疫を高める効果、血中コレステロールを低下

させる作用、発ガン物質の排出、抗変異原性など多くの報告がなされています。また、健康に良いとされる
成分は乳酸菌の菌体そのものが関与していることが多く、加熱殺菌されてしまった乳酸菌でも同様の効果
がある事が明らかになってきています。パネトーネ種乳酸菌については今後研究を行う必要がありますが、
乳酸菌による健康効果が期待できます。
−パネトーネ種乳酸菌はパン作りにどのような役割を果たしていますか?

【岡田】パネトーネ種乳酸菌は、糖を発酵して乳酸以外にもアルコールや酢酸、炭酸ガスを生成します。

これら酸を生成することで生地のpHを低下させ汚染細菌の生育を防止します。さらにパンの味や香りを
良くしたり、コモパンならではの特有のパン生地膨張にも関与しています。

 岡田教授、ありがとうございました。
 コモパンの乳酸菌は、美味しさや日持ちだけでなく、健康にも良い
 など、まだまだ隠されたちからがありそうです。
 コモパンの乳酸菌のちからを明らかにする為に、現在も岡田教授
 とパネトーネ種乳酸菌について共同研究を行っています。
[インタビュアー:弊社研究開発室 丸山]
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